親と子の世代間連鎖の事例。

S__4456502

今回のワークショップの中で、とても濃密な体験をお聞かせ頂きましたので
皆様とシェアしたいと思います。

このお話は今まで私がダルクでトレーナーをさせて頂いてる中で
衝撃的過ぎる内容で、ワークショップ中にまずない嗚咽が出るのを
感じきりながらワークを続けさせて頂いたほどの衝撃的な場面がありました。

その方は薬を使うキッカケになったルーツを語って頂きました
中学校時代にイジメに合ったのが始まりで、身体的な暴力に始まり
顔に向けて放尿されたり、火を付けて火傷をさせられたりと
筆舌に尽くしがたい程の過酷で痛ましい体験をされながら
それでもと、生き延びてきた人がダルクにいます。

この文面で語る事はとても難しい程の恐ろしい状況だったと思います
まさにイジメと呼べるレベルではなく聞いてるだけで拷問としか思えない
少なくとも私の周りで聞いているような”子供のするような事”とは考えにくい
衝撃的な出来事を聴く事になり、とても胸の痛いワークの現場でした。

私自身も息子がいじめに合うという経験はございます。
そして私の子供は私の目の前でリストカットをした事もあります。
そんな私でさえも聞いた事がない程の絶望的な状況です。

私だけではなく、誰もがそんな状況下に我が身が置かれると想像すると
恐ろしい気持ちを抱くのではないでしょうか。

そんな常軌を逸した、想像を絶する体験談から薬を使わなければ
もう自分は生きている事さえ困難だった事。そんな過去の辛い気持ちを
お話して下さった、ダルクの方の勇気に感謝しております。

ダルクに入寮しプログラムを重ねる日々を続けながらも
泣き方、涙がでない、泣けないという人間であれば当たり前の事
そんな”涙する事の難しさ”の相談を耳にする事はあります。

心理学の観点から見ると、泣けないというのはそうなってしまった要素があり
“その人それぞれの何か”に我慢をし過ぎてしまうケースが第一に挙げられ
その我慢を強いる、または強いられる環境に自分を置いてしまうと
心と身体はバラバラになってしまうかのように壊れてしまい涙を流すという事が
出来なくなってしまう事例は多々あります。何より私自身も最愛の夫を亡くした後
重度のうつ状態に陥り、感情がまったく湧き起らない、例えるのであれば
“生きてる状態で死んでるような”そんな状態です。

そうなってしまうのは悲しみの深さよりもっと辛い、痛みを痛みとして感じる事すら
出来なくなってしまうような無の感情、感情すら起こる事も、感じる事も出来ない
無の感情の状態の事です。

ダルクにはこのような出来事を経験された方々が多くいらっしゃいます
聞くだけでは「何故助けを求めなかったのか?」「どうして言わなかったのか」
そういったキーワードが思い浮かぶ人もいるかと思います。

しかしこの痛々しい体験の時に助けを求められなかった事を責めるのではなく
私たち人間は誰しもが「好んで痛みを感じたい」などとは微塵にも思わないはずです
親にも教師にも友達にも誰にも助けを求められず、そんな背景や心境があれば
イジメがエスカレートする事を恐れてしまったのかもしれません
彼は薬を使いながら常時戦場のような場所を生きてきたという現状があり
そうやってでも今を生きて伸びた先、DARCにいます。

心理学的に紐解いていけば、この我慢は親の世代間連鎖の一つです。
世代間連鎖とは一概に色々な例えになりますが、子供は親の姿をコピーします
そして姿だけではなく気持ち、信条、性格など親の全てをコピーします。

弱音を吐いてはいけない、休んではいけない、もっとやらなくてはいけない
仮に親に迷惑をかけたくない、親に言っても聞いてくれない、日常の積み重ねから
子供は親のコピーをしつつ、親に聞いてもらえるレベルの出来事を判断します。
この世代間連鎖とは、親の行動は知らずの内に子供にコピーされている事
日常の積み重ねから子供は親にとっての子供であろうと最適な行動パターンや
言動を自分で作っていってしまうのです。

皆さま、子供の時に一度は思った事はないでしょうか
「親に迷惑をかけない」「親に心配させない」「これは言ったら怒られる」
このようなキーワードに辿りつくのも、親が普段どのような形で子供に接してるか
子供は子供で物事に対する行動や言動のボーダーラインを定めています。

こんな悲しい、親も子供も望まない世代間連鎖を断ち切るには
親がこの犠牲的な生き方に気づいて、楽な生き方を選択して頂く事が
自分の子供たちへの贈り物となっていきます。

親はいつまでも子供にとっての親であり、子供はいつまでたっても子供
幾星霜の年を重ねようと”親子”の関係というのは不変です。
親がいきなり子供になる事は無く、その逆もそうなります。

悲しい世代間連鎖の為に今この瞬間に私たち親ができる事は
“子供の為”に、子供の人生を精神面でも現実面でも楽になっていけるように
祈り、そして変わり続けていく事がとても強く求められていると
私は思います。時代によって親子の在り方や接し方変わっていきますが
“親子”である事は変わりません。

IMG_1929

 

 

親も子供に傷つく事など望んでなく、子供も親が不幸になる事は望んでいません
誰もが幸せを追い求めていくからこそ今の自分と向き合う事が強く求められている
再認識できた濃密なワークショップでした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る